部活や練習に向かう際、リュックの中が荷物でパンパンになってしまいバッシュが入らないことってよくありますよね。特に冬場など着替えが増える時期や、遠征で宿泊用具が必要な時などは、大きなバッシュの収納場所は悩みの種です。
無理やり詰め込むと大切なシューズの型崩れが心配ですし、練習後の汗を含んだシューズをウェアと一緒にするのは衛生面や臭い移りも気になるところです。バッシュをリュックの外側に結ぶ方法や専用のクリップを活用する付け方、あるいはカラビナを使って固定する手順など、どうやって持ち運ぶのがベストなのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
- リュックの外側にバッシュを安全に固定する具体的な手順
- 専用のシューズクリップやカラビナを活用した便利なアイデア
- 大切なバッシュを長持ちさせるために欠かせない衛生管理の知識
- 状況に応じて使い分けたい最適な収納方法と便利グッズ
バッシュをリュックの外側に結ぶ方法と便利グッズ
まずは、リュックの容量が足りないときや、すぐに取り出したいときに役立つ「外付け」のテクニックについて見ていきましょう。専用のアイテムを使う方法から、手持ちのグッズで代用する方法まで、いくつかのパターンをご紹介します。
専用のシューズクリップの使い方

バッシュをリュックの外側にスマート、かつ安全に取り付けるなら、やはり専用のシューズクリップを使うのが一番の近道であり、私自身も最も推奨する方法です。特に「クリッチ(Klitch)」という名称で知られるアイテムは、バスケットボールプレイヤーの間で「バッシュ持ち運びの正解」として非常に人気があります。
これは単にシューズを挟むだけではありません。最大の特徴は、バッシュ特有の分厚いヒールカウンターやハイカットの足首周りでも、ガッチリとロックできる強力なホールド力にあります。紐を結んでぶら下げるよりも圧倒的に安定しますし、大切なバッシュのアッパー(表面の生地)に余計なシワを寄せずに運べる点が最大の魅力です。
失敗しない使用手順とコツ
- クリップの準備:シューズクリップの留め具を外し、スライドさせて限界まで大きく広げます。中途半端な広さだとバッシュが入りません。
- シューズのセット:バッシュのインソール側(足を入れる側)同士が向かい合うように重ねます。こうすることで全体の厚みが均一になり、クリップで挟みやすくなります。
- 挟む位置:踵(かかと)の少し上のあたりをクリップで挟み込みます。ソール部分ではなく、履き口に近い部分を狙うのがポイントです。
- ロックと固定:「カチッ」と音がするまでしっかりと留め具を閉めてロックし、付属のカラビナをバックパックの持ち手(ハンドル)など、高い位置にある頑丈なパーツに留めます。
この方法を取り入れると、バッシュがカバンの中で他の荷物に押しつぶされる心配がなくなります。さらに、移動中に常に外気に触れている状態になるため、練習後の湿気が自然と抜け、最強のニオイ対策になるという実用的なメリットも見逃せません。
また、クリップ自体に豊富なカラーバリエーションがあるのも嬉しいポイントです。自分のバッシュの色や、チームカラー、リュックのデザインに合わせてコーディネートを楽しむことができるので、単なる移動手段としてだけでなく、「バスケ好きのスタイル」としてファッション感覚で取り入れてみるのも楽しいですよ。
カラビナを活用して固定する手順
「専用のクリップを買うほどではないけど、今日だけはどうしても外付けしたい!」そんな時に救世主となるのが、ホームセンターや100円ショップで手に入る「カラビナ」です。安価で手に入り、使わない時はキーホルダーとしても使える汎用性の高さが魅力です。
ただし、適当なサイズのもので適当に吊るしてしまうと、移動中にバッシュが暴れたり、最悪の場合は落下したりする原因になります。ここでは、カラビナを使って安全かつ安定して固定するための具体的なステップをご紹介します。
失敗しないカラビナの選び方
100円ショップの物でも構いませんが、できれば以下の条件を満たすものを選んでください。
- サイズ:全長7cm〜10cm程度の中サイズ(小さすぎると厚手のバッシュが通りません)。
- 素材:プラスチック製ではなく、耐久性のあるアルミ製や金属製。
- 形状:開閉部分が広く開く「D型」や「変形D型」が使いやすいです。
取り付けパターンと負荷分散のテクニック
バッシュの形状によって、最適な取り付け位置が異なります。以下の2つのパターンのうち、ご自身のシューズに合う方法を選んでください。
1. ヒールループ(プルタブ)がある場合【推奨】 バッシュの踵(かかと)部分に指を通せる輪っか(ヒールループ)が付いているモデルなら、迷わずここを使いましょう。ループは頑丈に縫い付けられているため、最も安全に持ち運べます。 左右のシューズそれぞれのループに1つずつカラビナを通し、リュックの左右に振り分けて固定すると、重さが分散されてバランスが良くなります。
2. ヒールループがない場合(シューレース活用) ループがない場合は、シューレース(靴紐)を利用しますが、「結び目」に直接通すのはNGです。解けたり切れたりするリスクが高すぎます。 一番上のシューレースホール(紐を通す穴)に紐を通す際、あえて少し余裕を持たせて輪を作り、その「紐の輪」と「ホール」の両方に負荷がかかるようにカラビナを通してください。こうすることで、紐やアッパーへのダメージを最小限に抑えられます。
「ブラブラ揺れ」を防ぐ2点留めの裏ワザ

カラビナ1個で一点吊りをすると、歩くたびにバッシュがブラブラと揺れ、周囲の人に当たったり、壁にぶつかったりしてしまいます。
これを防ぐには、「カラビナの2個使い」が効果的です。例えば、バッシュの「踵側」と「つま先側(シューレース下部)」の2箇所にカラビナを通し、リュック側の離れた2点(持ち手とサイドポケット付近など)に固定します。こうしてテンションを張ることで、バッシュがリュックに張り付くように固定され、驚くほど揺れなくなります。
ここに注意!
金属製のカラビナがバッシュの表面(アッパー)に擦れ続けると、傷がついたりメッシュが破れたりすることがあります。長時間の移動の際は、カラビナとシューズが接触する部分にタオルを挟むか、傷つきにくいプラスチックコーティングされたカラビナを選ぶなどの配慮が必要です。
既存のループやストラップの活用
今お使いのリュック、改めてよーく観察してみてください。「これ、何に使うんだろう?」という謎のベルトや、波打つように縫い付けられた輪っかが付いていませんか?
実は、特にスポーツブランドやアウトドアブランドのバックパックには、入りきらない荷物を「外付け」するための拡張機能があらかじめ備わっていることが多いんです。これらを賢く活用すれば、追加のグッズを買わなくてもバッシュを快適に運ぶことができるかもしれません。
【最強の安定感】サイドコンプレッションストラップ

リュックの両サイドに付いている、荷物の量に合わせて厚みを調整するためのベルト(コンプレッションストラップ)。これがバッシュの固定には最も役立ちます。
単にカラビナでぶら下げるだけだと、歩くたびにバッシュが揺れて体や壁に「ガンッ、ガンッ」と当たるのがストレスになりますよね。ですが、このサイドストラップを使えば、その悩みを一発で解決できます。
おすすめの固定テクニック
バッシュのソール(靴底)をリュック側に向けて、サイドストラップの内側に差し込みます。その状態でストラップをギュッと締め上げてください。こうすることでバッシュがリュック本体に押し付けられて完全に固定され、走っても揺れないほどの一体感が生まれます。
Dリングとデイジーチェーン
ストラップ以外にも、フックを掛けるためのパーツが配置されていることがあります。
- Dリング: ショルダーストラップ(肩紐)の胸元あたりや、リュックの側面に付いているD字型の金具やプラスチックパーツです。ここにカラビナを通せば、手元に近い位置でバッシュを管理できます。
- デイジーチェーン: リュックの表面に縦に縫い付けられた、波状のナイロンベルトです。たくさんの輪っかが連なっているので、自分の好みの高さに合わせてバッシュを固定できるのがメリットです。
| パーツ名 | バッシュ固定への活用方法 |
|---|---|
| コンプレッション ストラップ | 【推奨】サイドのベルトにバッシュを挟み込み、締め上げて固定します。揺れを最小限に抑えられるため、長時間の移動に最適です。 |
| Dリング | 別売りのボールネットやシューズケースを吊るすのに適しています。ショルダー部分にある場合は、前掛けのようにして視界に入れることも可能です。 |
| デイジーチェーン | 登山用リュックによく見られます。カラビナを使って上下2点で固定すれば、ぶらつきを防止しながらスタイリッシュに運べます。 |
| バンジーコード | 表面にあるゴム紐の編み上げ部分です。一時的にウェアなどを挟むものですが、軽量なバッシュなら挟んで固定することも可能です。(※ゴムの伸びに注意) |
ピッケルホルダー(豚鼻)は使える? よくリュックの底の方についている、豚の鼻のような革パッチ(ピッケルホルダー)。ここに紐を通してバッシュをぶら下げることも可能ですが、位置が低すぎるため、地面にバッシュが擦れてしまったり、お尻に当たって歩きにくかったりすることが多いです。基本的にはサイドや正面の高い位置での固定をおすすめします。
バッシュを外付けするメリット
私自身、荷物が多い遠征時や冬場の練習などにはあえて「外付け」を選択することがよくあります。最初は「入りきらないから仕方なく」やっていたことでしたが、実際にやってみると、単なる容量確保以上の理にかなったメリットがあることに気づきました。
バッシュをリュックの外側に出すことで得られる、3つの大きな恩恵について詳しく解説します。
1. 劇的なスペース確保(容量の節約)
バッシュ、特に足首まであるハイカットモデルやクッションの厚いモデルは、想像以上に体積を占めます。感覚としては、30Lのリュックであれば、バッシュを入れるだけで容量の3分の1から半分近くが埋まってしまうこともあります。
これを外に出すだけで、リュックの中にはこれだけの物が追加で入るようになります。
- 冬場の厚手のスウェットやウインドブレーカー上下
- 2リットルの大型スクイズボトル
- 試合後のお弁当や補食
- 学校の教科書やノートPC
普段使いの少し小さめのリュックでも、バッシュさえ外に出せば合宿に行けるレベルの収納力に化ける。これが最大の魅力です。
2. 移動中がそのまま「乾燥ケア」になる
個人的に最も重要だと感じているのがこの点です。激しい練習を終えた直後のバッシュ内部は、汗と体温で高温多湿のサウナ状態になっています。
これをそのまま密閉されたリュックの中に放り込むと、帰宅するまでの数時間で雑菌が爆発的に繁殖し、強烈なニオイやカビの原因になります。また、一緒に入れているタオルや着替えにニオイが移ってしまう「ニオイ移り」の悲劇も避けられません。
一方、外付けにしておけば、移動中の風が常にバッシュに当たり続けるため、帰宅するまでの時間がそのまま「陰干し・乾燥」の時間になります。家に帰った頃にはある程度湿気が抜けているため、バッシュの寿命を延ばすことにも直結します。
3. 「両手フリー」による安全性と快適さ
バッシュが入らないからといって、別の手提げ袋(シューズケース)を手に持って移動するのは意外とストレスがかかるものです。
片手が塞がると、スマホでの連絡や改札の通過、雨の日の傘差しなどが不便になりますし、電車に置き忘れてしまうリスクも高まります。また、自転車で移動する方にとっては、ハンドル操作を妨げないために「荷物は背中にまとめる」ことが安全上必須です。
リュックと一体化させてしまえば、両手は完全に自由になります。この「身軽さ」は、一度体験すると手放せなくなるメリットの一つです。
ぶら下げる際の落下や汚れのリスク
ここまで「外付け」のメリットや方法をお伝えしてきましたが、光があれば影もあります。リュックの外側にバッシュをぶら下げることには、無視できないリスクや、周囲への配慮が必要なマナーの問題が存在します。
私自身、過去に満員電車でヒヤッとした経験や、気づかないうちにバッシュを傷つけてしまった失敗談があります。これらを事前に知っておくことで、トラブルを未然に防ぎましょう。
1. 公共交通機関や人混みでの「迷惑」問題
最も気をつけたいのが、電車やバス、狭い通路などでの周囲への配慮です。
バッシュをぶら下げたリュックは、自分が思っている以上に「幅」と「奥行き」が出ています。急に振り返った拍子に、硬いバッシュのソールが後ろの人の顔や体に当たってしまったら大変です。
マナーとしての対策
電車やバスに乗る際は、必ずリュックを前に抱えるか、足元に置くようにしましょう。背負ったままにしておくと、自分では見えない背後のスペースを占領し、バッシュが他人の衣服を汚したり、引っかかったりするトラブルの元になります。
2. 予期せぬ「落下」と「紛失」
「しっかり固定したつもり」が一番危険です。歩行中の振動や、何かにぶつかった衝撃でクリップが外れたり、カラビナが破損したりする可能性はゼロではありません。
特に背面に付けている場合、片方が落ちても気づかないことがよくあります。「家に帰ったら片足しかなかった」という悪夢のような事態を避けるために、私は必ず以下の対策をしています。
- ダブルロック:クリップだけで信用せず、靴紐をリュックのストラップに結びつけるなど、二重の命綱を作る。
- 定期確認:移動中、信号待ちなどのタイミングで背中に手を回し、バッシュがあるかを確認する癖をつける。
3. 雨天時の水濡れと物理的ダメージ
外に出ているということは、バッシュは無防備な状態です。
- 急な雨:バッシュのアッパー(特にスエードやニット素材)は水に弱いです。突然の雨でずぶ濡れになると、型崩れやシミの原因になります。
- 衝突による傷:駅の自動改札を通る際や、曲がり角の壁などにバッシュを擦ってしまうリスクが高まります。大切なバッシュがボロボロにならないよう、身体感覚を少し広めに持つ意識が必要です。
4. ぶらぶらさせないための紐の処理
バッシュをぶら下げた際、意外と盲点なのが「長く垂れ下がったシューレース(靴紐)」です。
紐がだらんと垂れ下がっていると、エスカレーターの隙間に巻き込まれたり、自転車の車輪に絡まったりする重大な事故につながる恐れがあります。外付けをする際は、必ずシューレースを短く結び直すか、シューズの中にしまい込んで、絶対に垂れ下がらないように処理してください。
また、ぶら下げている間の型崩れが気になる方は、シューズの中に丸めた靴下やタオルを詰めておく(シューキーパー代わりにする)と、外部からの衝撃に対するクッションにもなり一石二鳥です。
バッシュをリュックに結ぶ際の衛生管理と収納術
バッシュを外に結ぶ大きな理由の一つに「衛生面」があると思います。ここでは、大切なバッシュを長く、清潔に使うための管理方法と、リュック内部への上手な収納方法について深掘りします。
臭いやカビを防ぐ乾燥と陰干し
バッシュをリュックの外側に結ぶ、あるいは家に持ち帰った後に最も気を使うべきなのが「ニオイとカビ」の対策です。あの鼻をつく独特の激臭、原因をご存知でしょうか?
実は、汗そのものが臭いわけではありません。高温多湿なシューズ内部で爆発的に繁殖した雑菌(バクテリア)が、汗や皮脂汚れを分解する過程で排出するガス(イソ吉草酸など)があのニオイの正体です。つまり、「湿気をいかに早く取り除くか」が、ニオイとの戦いにおける勝敗を分けます。
1. 帰宅後の「即・陰干し」が命

練習から帰ったら、何はともあれバッシュをカバンから出し、以下の手順で乾燥させてください。これをやるかやらないかで、バッシュの寿命とニオイレベルが劇的に変わります。
- インソール(中敷き)を必ず外す: 汗を最も吸っているのはインソールです。これを敷いたままだと、靴底との間に湿気が閉じ込められ、そこからカビが発生します。必ず取り外して別々に乾かしましょう。
- 紐を緩めてベロ(シュータン)を起こす: 空気が中まで循環するように、履き口をガバッと大きく広げます。
- 風通しの良い日陰に置く: 玄関やベランダの日陰など、風が通る場所がベストです。早く乾かしたいからといって、扇風機の風を当てるのはOKですが、直射日光に当てるのは絶対にNGです。紫外線と熱でゴムの劣化や接着剤の剥がれを招きます。
ドライヤーの「熱風」は厳禁!
「明日までに乾かしたい!」と焦ってドライヤーの熱風を当てる方がいますが、これは自殺行為です。バッシュに使われている熱可塑性ポリウレタン(TPU)や接着剤が熱で変形・溶解し、ソール剥がれの原因になります。どうしても急ぐ場合は、必ず「冷風」モードを使用してください。
2. 10円玉と新聞紙を使った裏ワザ
専用のグッズがない時でも、家にあるもので強力な消臭・除湿が可能です。
10円玉の銅イオンパワー 昔からの知恵ですが、科学的にも理にかなっています。10円玉に含まれる銅が湿気と反応して発生させる「銅イオン」には、強力な殺菌作用があります。片足につき3枚〜5枚程度入れておくだけで、ニオイの原因菌を抑制できます。黒ずんできたら効果が薄れているサインなので、お酢などで洗ってピカピカにすると復活します。
また、丸めた新聞紙を詰め込むのも非常に有効です。新聞紙は湿気を吸い取るだけでなく、インクの成分がカーボン(炭)のようにニオイを吸着する効果も期待できます。ただし、入れっぱなしにすると吸った湿気を戻してしまうので、数時間おきに交換するのがポイントです。
3. 本格的なケアなら専用グッズを
部活などで毎日ハードに使うなら、やはり専用のケア用品を一つ持っておくことを強くおすすめします。
- シリカゲル入り乾燥剤(シュードライヤー): 脱いだ直後に突っ込んでおくだけで、強力に除湿してくれます。繰り返し使えるタイプが経済的です。
- 消臭パウダー(グランズレメディなど): 魔法の粉とも呼ばれる天然成分のパウダーです。靴の中に振りかけるだけで、粉が繊維の奥まで入り込み、バクテリアを根源から除菌してくれます。
シューズケースを併用する入れ方
もしリュックの容量にまだ余裕があるなら、無理に外付けせず、「シューズケース(バッシュケース)に入れてからリュックの中に収納する」のが、最も衛生的でバッシュにとっても安全な方法です。
体育館のフロアは、目に見えなくても埃や滑り止め(松ヤニなど)、微細な砂で汚れています。裸のままバッシュをリュックに入れると、それらの汚れが大切なユニフォームやタオル、あるいはお弁当箱などに付着してしまう恐れがあります。 ケースという「壁」を一枚隔てることで、「汚れ物」と「清潔な物」を完全にゾーニングできるのが最大のメリットです。
目的別・シューズケースの選び方
一口にシューズケースと言っても、実は形状によって機能が全く異なります。自分のスタイルに合ったものを選びましょう。
| タイプ | 特徴とメリット・デメリット |
|---|---|
| 巾着袋タイプ (ナイロン製) |
|
| ボックス・ ジッパー型 |
|
| メッシュタイプ |
|
リュック内での「ベストな配置」は?
ケースに入れたバッシュをリュックのどこに入れるかも重要です。基本は「一番底」または「背中側」です。
バッシュは荷物の中でも重量があるアイテムです。これを重心に近い背中側や、安定する底部分に配置することで、リュックを背負った時の体感重量が軽く感じられ、余計な疲れを防ぐことができます。
移動もスムーズに しっかりした持ち手がついたシューズケースを選んでおくと、更衣室で着替えてから体育館(コート)へ移動する際、スマホやタオルをケースの隙間に入れて、これ一つでスマートに移動できるので便利ですよ。
専用ポケット付きバスケリュック
もし、これから新しいバッグの購入を検討しているなら、「外付け」や「ケース」の悩みから一発で解放される「バスケットボール専用リュック(バスケリュック)」を選ぶのが、間違いなく一番の近道です。
一般的なデイパックと違い、バスケ専用モデルは「ボール(7号球)」と「バッシュ」という、大きくて汚れている二大アイテムを運ぶことを前提に設計されています。実際に使ってみると分かりますが、その快適さは一度味わうと普通のリュックには戻れないレベルです。
最大の特徴は「完全独立」した収納部屋

バスケリュックの最大のメリットは、バッシュを収納するためだけの「独立したコンパートメント(部屋)」が用意されていることです。
メインの荷室とは完全に壁で仕切られているため、練習後の汚れたバッシュをそのまま突っ込んでも、大切なユニフォームや教科書、お弁当などが汚れる心配が一切ありません。また、多くのモデルではこのポケット部分にメッシュ素材や通気孔(ベンチレーション)が採用されており、移動しながら自然に換気が行われるよう工夫されています。
「底面収納」か「フロント収納」か
一口にシューズポケットと言っても、モデルによって配置場所が異なります。自分の使い勝手に合うタイプを知っておきましょう。
| 収納タイプ | 特徴と使い勝手 |
|---|---|
| ボトム(底面) 収納型 |
リュックの底部分にあるジッパーから収納するタイプ。
|
| フロント(前面) 収納型 |
リュックの正面にある大きなポケットに縦に入れるタイプ。
|
失敗しないスペック選びの「黄金比」
様々なメーカーから発売されていますが、「大は小を兼ねる」の精神で選ぶのが正解です。
この3点をチェック!
- 容量は32L〜40L: ボールとバッシュを中に入れて、さらに冬場の着替えや水筒を入れるとなると、30L未満では厳しいです。これくらいのサイズがあれば遠征や合宿にも対応できます。
- 開口部の広さ: ハイカットのバッシュは入り口が狭いとストレスになります。「ガバッ」と大きく開くU字型のファスナーがついているものがおすすめです。
- 撥水(はっすい)加工: 底面がターポリン素材など、水や汚れに強い素材で補強されているものを選びましょう。体育館の床や地面に直接置くことが多いバスケ部員には必須の機能です。
寿命を縮めるNGな扱い方と対策
バッシュは消耗品ですが、日々の扱い方ひとつで、その寿命は数ヶ月単位で大きく変わります。「リュックにどう結ぶか」を気にする以前に、無意識にやってしまっている「寿命を縮めるNG行動」がないか、一度見直してみましょう。
1. 絶対にやってはいけない「踵(かかと)踏み」

練習が終わって疲れている時、ついつい横着してバッシュの踵を踏んで脱いだり、踏んだまま歩いたりしていませんか?これはバッシュにとって「即死レベル」のダメージを与えます。
シューズの踵部分には、「ヒールカウンター」と呼ばれる硬い樹脂製の芯が入っています。これは、激しいプレー中に足のブレを防ぎ、捻挫などの怪我から守ってくれる非常に重要なパーツです。 一度でも踏み潰して変形させてしまうと、二度と元には戻りません。ホールド感が失われ、パフォーマンスが落ちるだけでなく、足首の怪我のリスクが跳ね上がります。
正しい脱ぎ履きの鉄則
面倒でも、脱ぐときはシューレース(靴紐)を最後の段まで緩めてから。履くときも、必ず手を使って踵を包むように入れ、最後にトントンと床で踵を合わせてから紐を締める。これが一流プレイヤーの常識です。
2. 水洗いと洗濯機の使用は「厳禁」
「汚れがひどいから、家に帰って洗濯機で丸洗いしよう」 これも非常によくある間違いですが、絶対に避けてください。
現在のバッシュは、衝撃吸収のための特殊なクッション素材(ゲルやエアなど)や、軽量化のための接着剤、熱可塑性樹脂など、非常にデリケートな化学素材の塊です。
- 加水分解の加速:水に浸けることで、ソール(靴底)のポリウレタン素材が化学反応を起こし、ボロボロに崩れる「加水分解」を一気に早めてしまいます。
- 接着剤の剥離:水流と洗剤の力で、アッパーとソールを繋いでいる接着剤が弱まり、プレー中にソールが剥がれる原因になります。
- 型崩れと縮み:乾燥過程でアッパーの素材が縮み、今までぴったりだったサイズ感が変わってしまうこともあります。
メーカー公式の見解
国内大手メーカーであるアシックスも、シューズの丸洗いや洗濯機の使用は基本的に推奨していません。汚れはブラシで落とし、専用のクリーナーで拭き取るのが正しいお手入れ方法です。
3. 保管場所の「温度」に注意
意外と盲点なのが、車の中や部室などの「高温になる場所」への放置です。 特に夏場の車内は50度を超えることもあり、このような環境にバッシュを置きっぱなしにすると、ソールが変形したり、接着剤が溶け出したりします。バッシュは生き物だと思って、人間が快適だと感じる温度環境で管理してあげてください。
汚れ防止にゴミ袋を使う裏ワザ
「しまった、シューズケースを家に忘れてきた!」「帰りの雨でバッシュが泥だらけ…これをリュックに入れたくない」
長くバスケを続けていれば、そんなピンチに遭遇することは一度や二度ではありません。そんな緊急時に、専用のハイテクグッズよりも役に立つ最強のアイテム、それがどこの家庭にもある「ゴミ袋(ビニール袋)」です。
見た目は確かにスタイリッシュとは言えませんが、実用性とコストパフォーマンスにおいては右に出るものがいません。私が遠征や合宿に行く際、必ずリュックの底に3〜4枚忍ばせている「転ばぬ先の杖」としての活用術を伝授します。
真空パック方式で「圧縮」して収納する

ただ袋に入れるだけでは芸がありません。ゴミ袋の最大の利点は、形状を自由に変えられることです。以下の手順で収納すると、驚くほどコンパクトになります。
- バッシュを入れる:バッシュの底同士を合わせるか、互い違いにして袋に入れます。
- 空気を抜く:袋の口を手で絞りながら、上から体重をかけて中の空気を極限まで押し出します。布団圧縮袋のようなイメージです。
- 密閉する:空気が戻らないように素早く口を固く結びます。
こうすることで、バッシュの体積を最小限に抑えつつ、泥や水滴、そして強烈なニオイまでもを完全に封じ込めることができます。リュックの中で他の荷物を汚すリスクはゼロになります。
「ジップロック」ならさらに最強
もし準備ができるなら、ゴミ袋の代わりにLサイズやLLサイズの「ジップ付き保存袋(ジップロックなど)」を使うのも非常におすすめです。
ジップ付き袋のメリット
- 密封性が段違い:チャックで完全に密閉できるため、ニオイ漏れ防止効果はゴミ袋以上です。
- 耐久性:素材が厚手なので、バッシュの金具などで破れる心配が少ないです。
- 再利用可能:汚れても内側を洗えば何度か使えるため、ゴミが出ません。
専用ケースがない場合の代替策として、あるいは「ケースすら汚したくない」というドロドロの状況下での最終手段として、ビニール袋をリュックのサイドポケットに常備しておく。この小さな習慣が、いざという時にあなたを救ってくれるはずです。
バッシュをリュックに結ぶか中に入れるか
結局のところ、バッシュをリュックの外側に結ぶべきか、中に入れるべきかは、その時の荷物の量や移動手段によって使い分けるのが正解だと思います。
電車移動や雨の日は、周りへの配慮と保護のために「中に入れる(またはケース使用)」が安心ですし、自転車移動やどうしても荷物が入らない時は、クリップなどを活用して安全に「外に結ぶ」のが良いでしょう。
大切なのは、相棒であるバッシュを大切に扱い、衛生的に保つこと。ご自身のスタイルに合わせて、最適な持ち運び方法を選んでみてくださいね。
※本記事で紹介した方法は一般的な事例です。バッシュの素材やリュックの形状によっては適さない場合もあります。製品の取り扱い説明書を確認し、ご自身の判断で実践してください。

