こんにちは、ワールドスニーカーライブ運営者のまーです。お気に入りのVansを手に入れて、さあ履き心地を良くするためにインソールを交換しようとしたら、ガッチリと接着されていて外せないことに驚いた経験はありませんか。
「えっ、これ不良品?」と焦って無理に引っ張ると、中のスポンジがちぎれて靴が台無しになってしまうことも…。実はそのままでは洗う時や足が痛い時の対策にも困ってしまいますよね。
実はVansのインソールには明確に「外せるモデル」と「外せないモデル」が存在し、それぞれの構造に合わせた適切な剥がし方や洗い方、そして痛みを軽減する工夫が存在します。この記事では、Vansのインソールが外れない理由から、ドライヤーを使った具体的な剥がす手順、交換する際のリスクとメリットについて、私の経験も交えながら詳しくお話しします。
- Vansのインソールが接着されていて外せない理由と構造上の仕様
- 手持ちのVansがインソール交換可能なモデルかどうかの見分け方
- ドライヤーを使って接着剤を緩め慎重にインソールを剥がす手順
- 外さずに履き心地を改善するインソールの重ね方や洗い方のコツ
Vansのインソールが外せない理由と種類の違い
Vansのスニーカーを愛用していると、インソールがびくともしないモデルと、すんなりと外れるモデルがあることに気づくかもしれません。初めてVansを買った方は戸惑うかもしれませんが、実はこれ、不良品や個体差ではなく、Vansならではの明確な理由と仕様の違いがあるのです。ここでは、なぜ多くのモデルでインソールが固定されているのか、そして自分の靴がどのタイプなのかを見分ける方法について深掘りして解説していきます。
Vansインソールの種類とモデルの見分け方
まず知っておきたいのは、Vansには大きく分けて「クラシックライン(通常モデル)」と「スケートライン(旧プロモデルなど)」が存在し、それぞれインソールの仕様が全く異なるという点です。
ABCマートなどで一般的に販売されているクラシックライン(Authentic、Era、Old Skoolなど)の多くは、インソールが靴底に強力に接着されています。これは、元々Vansがスケートボード用シューズとして発展してきた歴史に深く関係しています。
なぜ接着するの?
スケートボードのような激しいアクションスポーツでは、足の裏の感覚(ボードフィール)が非常に重要です。もしインソールが靴の中でズレてしまうと、繊細なボードコントロールができなくなるだけでなく、怪我に繋がる恐れもあります。そのため、あえて接着剤で固定し、足と靴の一体感を高めているのです。
一方で、機能性を重視した「SKATE CLASSICS」や一部の上位モデルには、「POP CUSH(ポップクッシュ)」や「ULTRACUSH(ウルトラクッシュ)」といった分厚い高機能カップインソールが採用されており、これらはメンテナンスや交換を前提として取り外しが可能になっています。
【チェックリスト】あなたのVansはどっち?

手持ちのVansがどちらのタイプか見分ける最も簡単な方法は、以下の手順です。
- 靴の踵(かかと)部分のインソールの端を、指でつまみます。
- 軽く持ち上げてみてください。
- 判定:
- 爪先の方まで繋がっている感覚で簡単に浮く → 「取り外し可能」
- 踵部分がガチガチに張り付いていて指が入らない、または白い布地が底に密着している → 「接着タイプ(外せない)」
オールドスクールのインソールは外れるか

Vansの代名詞とも言える「オールドスクール(Old Skool)」ですが、これもモデルによってインソールの仕様が大きく異なります。「オールドスクール」という名前だけで判断すると痛い目を見るかもしれません。
街履きとして最も普及している標準的なオールドスクール(品番にDXなどがつかないものや、一般的な企画のもの)は、基本的にインソールが接着されており、簡単には外せません。構造としては、白いキャンバス地のような表面の下に薄いウレタンスポンジがあり、それがゴム製の底材に直接張り付いています。
しかし、同じオールドスクールでも「SKATE OLD SKOOL(旧PROモデル)」という名称で販売されているモデルや、軽量化を図った「ComfyCush(コンフィクッシュ)」モデルなどは仕様が異なります。
- SKATE OLD SKOOL: 衝撃吸収に優れた高機能インソール(PopCushなど)が入っており、スポッと抜くことができます。ヒール部分に紫色のタグが付いていることが多いです。
- ComfyCush: ソールとフォームが一体成型されている構造のため、インソール単体としては外せません(無理に剥がすと壊れます)。
見た目はそっくりでも中身は別物なので、購入時や手入れの際にはシュータンの裏にあるタグや、箱の表記(SKATEBOARDINGなどの文字)を確認するのが確実ですね。
Vansスリッポンのインソール固定事情
紐がないため脱ぎ履きが楽で、世界中で愛されている「スリッポン(Slip-On)」ですが、このモデルこそインソールの取り扱いには最も注意が必要です。スリッポンの通常モデルも、基本的にはインソールが強力に接着されており、外せない仕様になっています。
さらにスリッポンの場合、紐でフィット感を調整できないため、インソールの厚みが変わると履き心地が激変します。
スリッポンでのインソール交換リスク
もし無理に剥がして分厚い市販のインソールに交換してしまうと、以下のようなトラブルが起きやすくなります。
- 甲が痛くなる: 甲の部分がパンパンになって足が入らなくなる、または強い圧迫感が出る。
- 踵が抜ける: 底上げされた分、踵の掛かりが浅くなり、歩くたびにスポスポ脱げてしまう。
スリッポンに関しては、構造上の制約が他の紐付きモデルよりもシビアだということを覚えておいてください。安易な交換はおすすめできません。
インソール交換のメリットとリスク
「外せない」と言われると、余計に交換したくなるのがスニーカー好きの性かもしれません。確かにインソールを交換することには大きなメリットがあります。
Vansの純正インソール(特にクラシックライン)は非常に薄くフラットです。これを「Superfeet」や「BMZ」などの高機能なインソールに入れ替えることで、Vans特有の「地面の硬さが伝わる底付き感」や、長時間の歩行による足裏の疲れを劇的に軽減できるからです。まるで別の靴になったかのような快適さを得られることもあります。
しかし、接着タイプのインソールを交換することには、相応のリスクも伴います。メリットとデメリットを天秤にかけて判断しましょう。
交換に伴う3つのリスク
1. 底材の破損と履き心地の悪化

- 無理に剥がそうとすると、インソールのスポンジだけでなく、靴底の素材までちぎれて凸凹になってしまうことがあります。底がボコボコの状態では、新しいインソールを入れても違和感が残ります。
- 2. サイズ感の変化
- 純正インソールは非常に薄い(数ミリ程度)ことが多いです。市販のクッション性が高いインソールは厚みがあるため、交換すると靴内の容積が減り、圧迫感が出ることがあります。
- 3. 保証対象外
- 当然ですが、分解行為とみなされるため、メーカーや購入店舗の保証(初期不良対応など)は一切受けられなくなります。
純正インソールが痛い時の足への負担
Vansのクラシックモデルを長時間履いていると、「足の裏が痛い」「膝に来る」「ふくらはぎがパンパンになる」と感じることはありませんか。これは、純正インソールが非常に薄く、クッション性が最低限に抑えられているためです。
先ほども触れましたが、これは地面の感触をダイレクトに掴む必要があるスケーターにとってはメリットです。しかし、硬いコンクリートの上を長時間歩く普段使いや、立ち仕事で使用する場合には、衝撃がそのまま関節や筋肉に伝わってしまいます。
特に扁平足気味の方や、アーチ(土踏まず)のサポートが必要な方にとっては、アーチサポートがほとんどない平坦なVansのインソールは疲れの原因になりやすいです。「デザインは好きだけど、長時間履くと痛いからなんとかしたい」という悩みは、多くのVansユーザーが抱える共通の課題と言えるでしょう。
Vansのインソールが外せない時の剥がし方とケア
では、実際に「外せないタイプ」のVansを持っている場合、どうすれば良いのでしょうか。「どうしても交換したいから剥がしたい」というチャレンジャーな方への手順や、「剥がさずに快適に履きたい」という堅実な方へのケア方法など、具体的な対策をご紹介します。
ドライヤーでインソールの剥がし方を実践

接着されているインソールを綺麗に剥がすための最もポピュラーで効果的な方法は、「熱で接着剤を緩める」ことです。プロの修理屋さんも使うテクニックですが、あくまで自己責任で行う作業になります。Vansのソール(バルカナイズド製法)に使われているゴムやテープも熱には強くないので、慎重な作業が求められます。
準備するもの
- ヘアドライヤー
- シール剥がし液(あれば便利)
- 薄いヘラ(プラスチック製推奨)、またはマイナスドライバー
- 軍手(火傷防止)
具体的な手順ステップ

- 準備: 靴紐を全て外し、作業しやすいようにタン(ベロ)を外側に倒して履き口を広げます。
- 加熱: ドライヤーの温風をインソールに向けて当て、靴の内部を温めます。一点に集中させすぎず、全体を温めるイメージで。温度は40〜50度くらい(手で触れると少し熱い程度)が目安です。
- きっかけ作り: 接着剤が熱で柔らかくなったら、踵(かかと)の内側や土踏まずのあたりから、ゆっくりと指やヘラを差し込みます。
- 剥離: 少しずつ持ち上げながら、さらに奥の方へ温風を当てて、接着剤を緩めながら剥がしていきます。
- 仕上げ: つま先部分は特に接着が弱いことが多いですが、生地が薄く破れやすいので、最後まで気を抜かずに慎重に行ってください。
もし途中で「ビリッ」と音がしてスポンジがちぎれそうになったら、一度作業を止めて再度温め直してください。無理な力任せは厳禁です。剥がした後に残ってしまったスポンジ片やベタつく接着剤は、シール剥がし液や無水エタノールを使って綺麗に拭き取ると、新しいインソールが綺麗に収まります。
インソールが外れない靴を清潔に保つ洗い方

「インソールが外れないと中までしっかり洗えないのでは?」「臭いが取れないのでは?」と心配される方も多いですが、コツさえ掴めば丸洗いでも清潔さを保てます。ただし、インソールと靴の隙間に洗剤が残ると接着剤の劣化やカビの原因になるため、すすぎを徹底することが最重要です。
外せないインソールの洗い方手順
- つけ置き: バケツにぬるま湯と中性洗剤(またはスニーカー用洗剤)を入れ、靴を全体的に浸します。
- ブラッシング: インソール部分は、洗剤をつけたブラシで直接ゴシゴシとこすり洗いをして汚れを落とします。つま先の方は歯ブラシなどを使うと奥まで届きます。
- すすぎ: 洗剤成分が残らないよう、流水でしっかりとすすぎます。特にインソールの下(見えない部分)に泡が残りやすいので、念入りに。
- 乾燥: タオルで水分をしっかり拭き取ります。乾燥時は、中に新聞紙やキッチンペーパーをパンパンに詰めて水分を吸わせ、こまめに交換します。風通しの良い日陰で、完全に乾くまで干しましょう。
もし「頻繁に洗うのは面倒」という場合は、履いた直後に重曹を小さじ1杯ほどお茶パックに入れて靴の中に入れておくと、強力な消臭・吸湿効果が期待できます。
水洗いできない素材に注意
スエードやレザーが使われているモデル(オールドスクールなどの補強部分含む)の場合、水洗いは色落ちや硬化の原因になります。その場合は、スエード用の消臭スプレーや、拭き取りタイプのフォームクリーナーでお手入れしましょう。
インソールが外れない靴への重ね入れ術
リスクを冒して剥がすのは怖い、でも履き心地は改善したい…という方には、「既存のインソールの上に、薄いインソールを重ねる」方法が最も現実的でおすすめです。これなら靴を壊す心配がありません。
ただし、単純に市販の分厚いスポーツ用インソールを入れると、靴が窮屈になって足が入らなくなります。Vansは元々甲が低めの設計だからです。ポイントは以下の2点です。
- 薄型フラットタイプを選ぶ: 100均などで売っている「レザー風インソール」や厚さ2mm程度の薄いものを選びましょう。これだけでも汚れ防止と若干のクッション性向上が見込めます。
- ハーフインソールを活用する: 踵(かかと)から土踏まずまでしかない「ハーフタイプ」や、踵だけの「ジェルパッド」なら、一番狭くなりやすいつま先部分を圧迫しません。踵のクッション性だけをピンポイントで強化できるため、Vansとの相性が抜群です。
インソールが薄い場合の疲れ対策
インソールを追加する以外にも、疲れを軽減する方法はあります。一つは「靴下での調整」です。底がパイル地(タオルのような生地)になっている厚手のスポーツソックスやスケーターソックスを履くだけでも、足裏への物理的な衝撃はかなり緩和されます。
また、これからVansを購入しようと考えている場合は、「あえて0.5cm〜1.0cm大きいサイズを買う(デカ履き)」というのも賢い戦略です。最初からインソールを重ねて入れることを前提にサイズアップしておけば、厚手の高機能インソール(Superfeetなど)を入れても窮屈にならず、Vansの見た目のまま、最高の履き心地を手に入れられます。
Vansのインソールが外せない問題の解決策
ここまで、Vansのインソールが外せない問題について、構造や対処法を詳しく見てきました。結論として、私たちが取れる解決策は状況に合わせて以下の3つに分類されます。
| 解決策 | 具体的なアクション | おすすめな人 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| ①剥がして交換 | ドライヤーで温めて除去し、好みのインソールを入れる | 手先が器用で、靴が壊れるリスクを許容できる人 | 高(自己責任) |
| ②重ねて入れる | 薄型インソールやハーフパッドを既存の上に敷く | 今の靴を安全に、かつ少しでも快適にしたい人 | 低(サイズ感注意) |
| ③モデル選び | 最初から外せる「SKATE CLASSICS」などを購入する | これから購入する予定の人、予算がある人 | 低(一番確実) |
今持っている靴をどうしてもカスタムしたい場合はドライヤーで慎重に剥がすのが一つの手ですが、靴へのダメージを考えると、まずは薄いインソールの重ね入れや部分パッド、厚手の靴下を試してみるのがベターです。
そして、もし次にVansを買う機会があれば、最初からインソールが外せる「SKATE CLASSICS(スケートクラシックス)」などのモデルを選ぶと、この悩みから完全に解放されます。通常のモデルより数千円高い場合が多いですが、PopCushインソールの快適さと耐久性を考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます(出典:VANS公式オンラインストア)。
自分の足の形やライフスタイルに合った方法で、快適なVansライフを楽しんでくださいね。

