スニーカーのパテント艶消しを業者に依頼！料金や方法を解説

ナイキのエアジョーダン1 パテントブレッド 艶消しカスタムの人気をきっかけに、光沢のあるスニーカーをマットな質感に変えたいと考える方が増えています。しかし、ナイキのパテントとはどのような素材で、そもそもスニーカーの艶消しのやり方にはどんな方法があるのでしょうか。専門業者へのスニーカー つや消し 依頼を検討する中で、スニーカー カスタムの料金や施工後のパテント 艶消し 耐久性は特に気になるところです。一方で、アンジェラス マットフィニッシャーなどの専用品を使ったDIYも選択肢の一つですが、正しいパテント スニーカー 手入れや、ひび割れを防ぐパテントレザーの手入れ方法を知らないと、大切な一足をダメにしてしまう可能性もあります。この記事では、パテントブレッド 艶消しカスタムの方法から料金、注意点まで、専門的な情報を深く掘り下げて分かりやすく解説します。

スニーカーのパテント艶消しを業者に依頼する流れ

そもそもナイキのパテントとは？

スニーカーのカスタムを深く理解するために、まず「パテントレザー」という素材の正体を知ることが不可欠です。一般的にパテントレザー（日本ではエナメル革とも呼ばれる）とは、革の表面にウレタン樹脂などをコーティングし、鏡のような光沢感を持たせた加工皮革を指します。この技術は19世紀初頭に開発され、当初は亜麻仁油を主成分とするワニスが使用されていました。現代では、より耐久性と柔軟性に優れた合成樹脂が主流となっています。

ナイキでは、特にエアジョーダン1やエアフォース1といった象徴的なモデルでこの素材をアクセントとして、あるいはアッパー全体に採用することがあります。これにより、スニーカーに独特の高級感とストリートでの強い存在感が生まれるのです。

しかし、この美しい光沢にはトレードオフも存在します。指紋や皮脂が付着しやすく、履きジワが深く刻まれやすいという特性です。また、通気性が低いため、長時間の着用で蒸れやすいというデメリットも挙げられます。通常のレザーとは全く異なる質感のため、一部のスニーカーファンからは好みが分かれることも少なくありません。この独特の質感を、落ち着いたマットな表情に変える「艶消しカスタム」が、個性を追求するユーザーの間で大きな注目を集めているのです。

エアジョーダン1 パテントブレッド艶消しが人気

数あるパテントスニーカーの中で、ナイキ エアジョーダン1 ハイ OG “パテント ブレッド”の艶消しカスタムがこれほどまでに絶大な人気を誇るのには、明確な理由があります。それは、バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンの伝説と、スニーカーカルチャーの根幹を成すオリジナルカラー「Bred（ブレッド）」への深い憧憬です。

1985年に登場したオリジナルの「Bred」は、上質でしなやかなスムースレザーで作られており、そのカラーリングは当時のNBAの規約に違反したという逸話と共に、反骨の象徴として多くのスニーカーヘッズにとって特別な一足となりました。しかし、その人気ゆえに歴代の復刻版は常に入手困難で、二次流通市場では価格が高騰しています。「パテント ブレッド」は、その伝説的な配色を忠実に再現しながらも、素材がパテントであるため、一部の熱心なファンからは「これはオリジナルへのリスペクトに欠ける」「質感が違う」といった声が上がったのも事実です。
そこで、艶消しカスタムを施すことで、過度な光沢を抑え、まるで長年探し求めていたデッドストックのオリジナル品のような、風格あるスムースレザーの風合いに生まれ変わらせることができるのです。これにより、「もしこの素材がパテントでなければ完璧だったのに…」と感じていた層の潜在的なニーズを完璧に満たし、カスタムという新たな付加価値を生み出すことで、爆発的な人気につながりました。

パテントブレッド艶消しカスタムのビフォーアフター

パテントレザーの艶消しカスタムが、スニーカーの印象をどれほど劇的に変えるのか、その視覚的な変化は言葉で説明するよりも見る方が早いかもしれません。ここでは、その違いをより具体的に解説します。

Before：加工前

加工前の「パテント ブレッド」は、周囲の景色や照明を映し込むほどの強い光沢を放ちます。エナメル特有のドレッシーで華やかな印象は、パーティーシーンや特別な日には映えるものの、日常的なコーディネートに取り入れるには少し派手すぎると感じる人もいるでしょう。また、写真を撮る際に光が反射しすぎて、スニーカー本来の美しいシルエットが伝わりにくいこともあります。

After：加工後

一方、プロの手によって艶消し加工が施された後は、光の乱反射が効果的に抑えられ、非常に落ち着いた深みのあるマットな質感に生まれ変わります。まるで工場出荷時からそうであったかのような極めて自然な仕上がりで、使い込まれた高級な本革のスムースレザーが持つ独特のオーラを纏うのです。これにより、ストリートスタイルはもちろん、ジャケットを合わせたきれいめなファッションにも違和感なく溶け込み、コーディネートの幅を大きく広げるという実用的なメリットが生まれます。

スニーカーのつや消しを依頼する際の注意点

プロの業者に依頼すれば、まず失敗することなく高品質な仕上がりが期待できます。しかし、大切なスニーカーを預ける前には、いくつか知っておくべき重要な注意点が存在します。後悔しないためにも、以下の点をしっかり確認しておきましょう。

第一に、艶消し加工はあくまで表面に特殊なコーティングを施すものであり、素材自体の物理的な特性（柔らかさや伸び率）を変えるわけではないということです。そのため、歩行時にできる履きジワの入り方は、元のパテントレザーと全く変わりません。そして、深く刻まれたシワの部分から、時間と共にコーティングがひび割れたり、剥がれたりする可能性はゼロではありません。

第二に、パテントレザーは元来、急激な温度や湿度の変化に非常にデリケートな素材です。ウレタン樹脂のコーティングは、特に冬場の低温下で硬化しやすく、その状態で強い衝撃が加わるとひび割れ（クラック）を起こすことがあります。一度亀裂が発生すると、基本的に修復は極めて困難です。カスタム後も、保管環境には十分な配慮が求められます。

スニーカーカスタムの料金はいくら？

専門業者に艶消しカスタムを依頼する場合の料金は、業者ごとの技術力やサービス内容によって異なりますが、おおよその相場観を知っておくことは業者選びの重要な指標になります。情報によると、複数の業者がサービスを提供しており、料金にはある程度の幅が見られます。

例えば、スニーカーのガラスコーティングなどを専門に行う業者では、比較的リーズナブルな5,000円（税込）でサービスを提供している例があります。一方で、著名なカスタムビルダーや専門店では8,800円、あるいはそれ以上の施工費用がかかることもあります。この価格差は、単に技術料だけでなく、以下のような複数の要因が複合的に影響していると考えられます。

結論として、おおよそ5,000円から9,000円程度が、スニーカーのパテント艶消しカスタムにおける一つの目安と言えるでしょう。料金の安さだけで選ぶのではなく、施工事例の写真や過去の利用者のレビューをしっかりと調査し、総合的に信頼できる業者を選ぶことが、満足のいく結果を得るための鍵となります。

業者によるパテント艶消しの耐久性は？

カスタムを依頼する上で、料金と並んで最も気になるのが「施工したマットな質感が、どれくらい長持ちするのか」という耐久性の問題です。業者による艶消し加工は、プロ用の機材と専用の材料を用いて行われますが、残念ながらその効果が半永久的に持続するわけではありません。

前述の通り、カスタムの主流な手法は、元のパテント層を保護しつつ、その上に非常に薄い艶消しのコーティング剤を均一に塗布するというものです。そのため、日常生活での使用に伴う物理的な影響は避けられません。特に、履きジワが深く入るアッパーの屈曲部や、障害物に接触しやすいつま先、かかとの部分から、徐々にコーティングが摩耗したり、剥がれてきたりする可能性があります。

ただし、プロの施工はDIYとは一線を画します。適切な下地処理によってコーティングの密着度を最大限に高め、柔軟性に富んだ高品質な塗料を使用するため、通常の使用であればすぐに劣化が始まることはありません。適切なケアを行えば、数年単位で美しいマットな状態を維持することも十分に可能です。

DIY？スニーカーのパテント艶消し業者以外の選択肢

自分でやるスニーカー艶消しのやり方

専門的な道具と化学的な知識、そして何より慎重さが求められますが、DIY（Do It Yourself）で艶消しカスタムに挑戦することも可能です。失敗という大きなリスクは伴いますが、コストを抑えられるだけでなく、自分だけの唯一無二の風合いを追求できるという、計り知れない魅力があります。

主な作業手順と、その科学的根拠

基本的な流れはプロの業者が行うプロセスと似ていますが、各工程の意味を理解することで成功率が格段に上がります。

1. 準備とマスキング：まず、ソールやシュータンのロゴ、ステッチなど、加工しない部分をマスキングテープで寸分の狂いなく丁寧に保護します。この地道な作業が、最終的な仕上がりの美しさを決定づけます。
2. ヤスリがけ（足付け）：#2500番などの非常に目の細かい紙やすり（耐水ペーパーが望ましい）で、パテントの表面を撫でるように優しく均一に擦ります。これは表面を傷つけるのが目的ではなく、後から塗布するコーティング剤の密着度を高めるため、目に見えないレベルの微細な凹凸を作る「足付け」という重要な工程です。
3. 下地処理（脱脂と表面活性化）：コットンにアセトンを少量含ませ、表面の油分や汚れを完全に拭き取ります。同時に、アセトンはウレタン樹脂をわずかに溶かす作用があるため、パテント層の表面を化学的に活性化させ、仕上げ剤との結合を強固にする役割も果たします。
4. 仕上げ剤の塗布：エアブラシを使い、マットフィニッシャーを薄く均一に吹き付けます。霧状に噴射することで、筆塗りでは不可能な均一な塗膜を形成できます。一度に厚塗りしようとせず、「薄く塗って乾燥させる」という工程を3～4回繰り返すのが、ムラなく仕上げるためのコツです。

アンジェラスのマットフィニッシャーの使い方

DIYで艶消しを行う際、その仕上がりと耐久性を大きく左右するのが、主役となる仕上げ剤（フィニッシャー）の選択です。スニーカーカスタムの世界において、米国のAngelus（アンジェラス）社製品は、プロからアマチュアまで、絶大な人気と信頼を得ているデファクトスタンダードと言えるでしょう。

艶消しカスタムで使用するのは、主に以下の2つの製品の組み合わせです。

• Acrylic Finisher No. 620 (Matte)：コーティングの主成分となるアクリル樹脂ベースの仕上げ剤。乾燥すると透明で柔軟な塗膜を形成します。
• Duller No. 720-01：艶消し効果を高めるための特殊な添加剤。主成分は塗料の光沢を抑えるシリカ（二酸化ケイ素）の微粒子です。

これらの使い方の最も重要なポイントは、2つの液体を推奨される比率で正確に混ぜ合わせることです。一般的には、マットフィニッシャーとダラーを「10：1」の割合で混合することが推奨されています。ダラーの比率を増やすほど艶消し効果は強まりますが、多すぎると塗膜の強度が低下したり、表面が白っぽく粉を吹いたようになったりする可能性があるため、まずは推奨比率から試すのが賢明です。

基本的なパテントスニーカーの手入れ方法

カスタムの有無にかかわらず、パテントスニーカーのデリケートな美しさを長く保つためには、日頃の手入れが何よりも重要です。パテントレザーは、一般的なスムースレザーやスエードとは全く異なる手入れ方法が求められますので、正しい知識を身につけておきましょう。

日常的なケアの基本は、柔らかく清潔な布での乾拭きです。理想的なのは、メガネ拭きにも使われるような、ケバの出ないマイクロファイバークロスです。履き終わった後に、表面に付着したホコリや指紋を優しく拭き取る。ただこれだけの習慣で、日常的な汚れの固着は十分に防げます。

雨に濡れたり、泥がはねたりした場合は、まず水で固く絞った布で汚れを優しく拭き取ります。その後、すぐに乾いた布で水分を完全に拭き上げることが重要です。水分が残っていると、水滴の跡がシミになったり、コーティングの劣化を早めたりする原因になります。

パテントレザーの手入れと割れの防止策

パテントレザーを所有する上での最大の懸念事項は、表面のコーティングに容赦なく生じる「ひび割れ（クラック）」でしょう。経年劣化の一種ではありますが、一度発生してしまうと修復は非常に難しく、スニーカーの価値を大きく損ないます。したがって、いかに発生を遅らせ、予防するかが重要になります。

ひび割れの主な原因は、科学的にも説明できる物理現象に基づいています。

• 乾燥による硬化：ウレタン樹脂のコーティングから可塑剤（柔軟性を与える成分）が抜け、素材が柔軟性を失い、硬化してしまう。
• 熱伸縮率の違い：ベースとなる皮革と表面のウレタン樹脂では、温度変化による伸縮率が異なります。急激な温度・湿度の変化に晒されると、その歪みに耐えきれず亀裂が入ります。
• 金属疲労：歩行時に同じ箇所（特に履きジワの部分）が繰り返し屈曲することで、コーティングに目に見えない微細なダメージが蓄積し、やがて大きな亀裂へと発展します。

これらの科学的根拠を踏まえ、以下の具体的な対策を講じることが、最も効果的な割れの防止策に繋がります。

スニーカーのパテント艶消しは業者に相談しよう

この記事では、スニーカーのパテント艶消しカスタムという魅力的な選択肢について、専門業者に依頼する場合とDIYで行う場合の両面から、その方法、料金、リスク、そしてメンテナンスに至るまで深く掘り下げて解説しました。最後に、あなたが最良の選択をするための判断材料として、それぞれのメリット・デメリットを改めて比較します。

結論として、もし対象のスニーカーがあなたにとって高価で、かけがえのない大切な一足なのであれば、迷わず専門の業者に相談するのが最も賢明で確実な選択と言えるでしょう。特に、エアジョーダンのような歴史的価値のあるモデルをカスタムする場合は、その価値を損なわないためにも、信頼できるプロフェッショナルに任せることを強くお勧めします。

• パテントスニーカーの艶消しカスタムは個性を表現する人気の方法
• 特に伝説的な背景を持つエアジョーダン1 パテントブレッドで流行
• 加工方法は元のパテント層の上に特殊な艶消し剤をコーティングするのが主流
• 専門業者に依頼した場合の料金相場は5,000円から9,000円が目安
• 業者依頼の最大のメリットはプロ品質の仕上がりと失敗リスクがない安心感
• カスタム後の耐久性は永久ではなく履きジワなどから徐々に劣化する可能性がある
• シューガードの装着や適切な保管でカスタム後の寿命を延ばせる
• DIYも可能だがエアブラシなど専門的な道具への初期投資が必要
• DIYで使う代表的な材料はアンジェラス社のマットフィニッシャーとダラー
• 推奨混合比はマットフィニッシャーとダラーを10:1で混ぜて使用する
• アセトンでウィングロゴを消してしまうなどDIYには取り返しのつかない失敗リスクが伴う
• パテントレザーは本質的に温度や湿度の変化に弱いデリケートな素材
• ひび割れは一度発生するとプロでも修復は極めて困難
• 割れを防ぐには専用クリームでの保湿とシューキーパーを使った保管が不可欠
• 最終的な方法はあなたのスニーカーへの想いやスキル、予算に合わせて慎重に検討するのが良い