テレビ番組「アメトーーク!」のスニーカー芸人回を見て、「自分もスニーカーの汚れ防止やケアについて本気で取り組みたい!」と熱くなったことはありませんか?私もその一人です。あの番組は単なるバラエティではなく、スニーカーヘッズにとっては「バイブル」とも呼べる情報の宝庫でした。
お気に入りの一足を長く履き続けるためには、加水分解防止や黄ばみ対策といった、少し専門的な知識が欠かせません。「プレ値がついたスニーカーを履くのが怖い」「日本の湿気で加水分解するのが心配」という悩みは、私たち共通のものです。
この記事では、番組で紹介されたワークマンの意外な活用法や、ソールを物理的に守るための具体的なテクニック、さらにはジェイソンマークを使ったプロ顔負けの洗浄術まで、余すことなく触れていきます。私自身が実際に試行錯誤し、効果を実感した方法を中心に、あなたの大切な靴を「資産」として最高の状態で維持するためのノウハウを共有します。
この記事でわかること
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- 番組で絶賛された最強の防水スプレーとクリーナーの具体的な活用手順
- 新品の状態を長く維持するために欠かせない「履く前のプレケア儀式」
- スニーカーの寿命を縮める「加水分解」や「黄ばみ」を防ぐ保存テクニック
- 大切なコレクションを資産として守るための、プロ・コレクターレベルの管理方法
スニーカーの汚れ防止をアメトークから学ぶ
テレビ番組「アメトーーク!」のスニーカー芸人たちが紹介して話題になったケア方法は、単なる「靴磨き」の範疇を超えています。彼らはスニーカーを「履くもの」であると同時に、「資産」や「芸術品」として捉え、それを守るための理にかなったメソッドを確立しています。ここでは、番組でも「三種の神器」のように扱われていた鉄板アイテムの使い方や、日々のメンテナンスの基本について、私の実体験を交えながら詳しくお話しします。
ジェイソンマークの正しい使い方と下地作り

スニーカーケアの基本中の基本といえば、やはり「Jason Markk(ジェイソンマーク)」です。アメトークでも大きく取り上げられ、今やスニーカー好きで持っていない人はいないと言われるほどのスタンダードアイテムになりましたね。
多くの方は「汚れた靴を洗う洗剤」として認識しているかもしれませんが、実はもっと重要な役割があります。それは、新品のスニーカーを下ろす前の「下地作り」としてのプレケアです。
なぜ新品なのに洗う必要があるのか?
「新品なんだから綺麗でしょう?」と思われるかもしれません。しかし、工場から出荷されたばかりのスニーカーには、製造過程で使用された機械油や、保管中の微細なホコリ、あるいは接着剤の余剰分などが薄く付着していることが非常によくあります。
これらが見えない膜として残ったまま、後述する防水スプレーをかけてしまうとどうなるでしょうか。スプレーの成分が素材に浸透するのを阻害したり、コーティングがムラになったり、最悪の場合は汚れを閉じ込めてしまうことになります。
そこで、まずはジェイソンマークを使って軽く表面を拭き上げ、スニーカーを「すっぴん」の状態にしてあげることが、最強のコーティングを作るための第一歩なのです。
Jason Markk(ジェイソンマーク)の特徴
- 高い安全性: 成分の98.3%が天然素材で作られており、完全な生分解性があります。強い化学薬品を使っていないため、靴を傷めにくく、手荒れの心配も少ないのが嬉しいポイントです。
- 万能な対応力: レザー、スエード、ヌバック、キャンバス、ナイロンなど、ほぼ全てのスニーカー素材に使用可能です。
- 拭き取りのみでOK: 水でバシャバシャと洗い流す必要がなく、泡立ててブラッシングした後、マイクロファイバータオルで泡を拭き取るだけで洗浄が完了します。この手軽さが継続の秘訣です。
効果的な使用手順
使い方はシンプルですが、コツがあります。まず、専用のブラシ(デリケートな素材には豚毛や馬毛の柔らかいブラシを推奨)を水に浸し、ジェイソンマークの液を数滴垂らします。再度ブラシの先を水に軽くつけ、余分な水分を振り落としてからブラッシングを開始します。
驚くほど豊かな泡が立ち、汚れを浮き上がらせてくれます。最後にタオルで泡と汚れを一緒に拭き取れば完了です。洗浄後は、風通しの良い日陰で完全に乾燥させることを忘れないでくださいね。
防水スプレーのクレップで最強の撥水加工

「アメトークのスニーカー汚れ防止」という文脈において、絶対に外せないのが「Crep Protect(クレッププロテクト)」です。番組内で、ケチャップやチョコレートソースをかけたスニーカーが、全く汚れずに液体を弾き飛ばす映像を見て衝撃を受けた方も多いはずです。
世の中には多くの防水スプレーが存在しますが、なぜクレップがこれほどまでに支持されるのでしょうか。その秘密は、圧倒的な「疎水性(水を弾く力)」と、計算された粒子の細かさにあります。
「防水」ではなく「撥水」の凄まじさ
一般的な防水スプレーが「水を通さない膜」を作るイメージだとすれば、クレップは「水が留まれない表面構造」を作り出します。これはハスの葉効果(ロータス効果)と呼ばれ、表面に微細な凸凹を形成することで、水滴が球体となり、コロコロと転がり落ちるようになります。
泥水や飲み物はもちろん、油分を含んだソース類まで弾くため、食事中のうっかり汚れからも愛車ならぬ愛靴を鉄壁の守りでガードしてくれます。
Crep Protectの効果を最大化する「2度塗り」メソッド

ただ吹きかけるだけでは不十分です。私が実践している、番組推奨のプロトコルは以下の通りです。
- 下準備: 前述のジェイソンマーク等で汚れを落とし、完全に乾燥させた状態にします。
- 1層目: 缶をよく振り、スニーカーから20cmほど離して全体にまんべんなくスプレーします。一度に厚塗りするのではなく、薄く全体を覆うイメージです。
- 乾燥(1回目): 風通しの良い日陰で約30分間乾燥させます。この待ち時間が定着には重要です。
- 2層目: より強固なバリアを作るため、もう一度全体にスプレーします。特につま先や側面など、汚れやすい部分は念入りに。
- 完全乾燥: さらに30分以上(できれば一晩)乾燥させれば完成です。
この「2回塗り(レイヤリング)」を行うことで、1回目の塗り残しをカバーしつつ、撥水層に厚みを持たせることができます。雨の日、水滴が弾け飛ぶ様を見るのは、ある種の快感すら覚えますよ。
使用上の注意点
クレップは強力ですが、爬虫類革やエナメル、ガラスレザーなど、一部の特殊な素材には使用できない場合があります。シミや変色の原因になる可能性があるため、初めて使う靴の場合は、必ずカカトの内側など目立たない場所でテストしてから全体に使用してください。また、スプレー時は必ず屋外で換気を良くして行ってください。
ワークマンのスニーカーも防水仕様に進化

番組の影響で面白い現象が起きたのが、ワークマンの激安スニーカー活用術です。「スニーカー芸人」たちのこだわりは、高級スニーカーを守るために「あえて安い靴を最強にカスタムする」という発想に至りました。
ワークマンには、プロの職人が使うことを想定した耐久性の高いキャンバスシューズや、撥水加工が施されたスニーカーが販売されています。中には1,000円以下で購入できるモデルもあり、コストパフォーマンスは異常と言えるレベルです。
「最強の雨用シューズ」を錬成する
このワークマンの激安シューズに、先ほどの最強防水スプレー「Crep Protect(約2,000円)」を惜しみなく吹きかけるのです。靴本体よりもスプレーの方が高いという逆転現象が起きますが、これによって「どれだけ汚れても心が痛まない、かつ水濡れ知らずの最強の雨用シューズ」が爆誕します。
どれだけクレップで防御しても、何万円、何十万円もするジョーダンやイージーを土砂降りの雨の中で履くのは勇気がいりますよね。しかし、ワークマンのスニーカーなら、泥跳ねも水たまりも全く怖くありません。
「今日は天気が怪しいな」という日は、迷わずこのカスタムワークマンを選ぶ。そうすることで、結果的に大切なコレクションをリスクから遠ざけることができるのです。これもまた、立派なスニーカーライフの知恵だと私は思います。
履く前のプレケアと紐を解く儀式の重要性

新しいスニーカーを手に入れたとき、嬉しくてすぐに足を通して街へ出かけたくなりますよね。その気持ち、痛いほどわかります。でも、そこをグッと堪えてください。スニーカー芸人たちの間では、「履く前の儀式(プレケア)」を行うことこそが、スニーカーへの愛の証とされています。
まず最初に行うべきは、「靴紐(シューレース)を一度すべて解く」ことです。「えっ、面倒くさい…」と思いましたか?しかし、これには明確な理由が2つあります。
1. 防水スプレーを細部まで行き渡らせるため
購入時の状態で防水スプレーをかけても、紐が通っている部分の「下」や、タン(ベロ)の重なっている部分にはスプレーが届きません。もし雨が降った場合、水はその「隙間」から侵入してきます。紐を解き、タンを露出させた状態でスプレーすることで、死角のない完全な防御が可能になります。
2. 自分仕様のフィッティングにするため
工場出荷時の結び方は、型崩れを防ぐためにきつく締め上げられていたり、機械的な通し方だったりすることが多いです。そのまま履くと足に馴染まず、靴擦れの原因になることもあります。一度紐を解き、自分の足の形に合わせて、愛情を込めて通し直す(リレースする)。この工程を経ることで、「ただの商品」が「自分の相棒」に変わるのです。
プレケアの完全手順
- 開封・検品: 箱から出し、初期不良がないか愛でながらチェックします。
- 紐解き: 靴紐をすべて外します。
- 下地処理: ジェイソンマーク等で表面の工場油分をオフします。
- 防御: 防水スプレーを全体(タンの裏側や履き口も含む)に塗布し、乾燥させます。
- 紐通し: 乾燥後、ねじれがないように丁寧に紐を通し直します。
この一連の流れを「儀式」として楽しむようになれば、あなたはもう立派なスニーカーマニアの仲間入りです。
着用後のブラッシングと陰干しの手順

一日履いたスニーカーは、想像以上に過酷な環境にさらされ、疲弊しています。特に日本の高温多湿な環境において、湿気は大敵です。帰宅して「あー疲れた」と、すぐにシューズボックスや密閉袋に入れてしまうのは、自殺行為(靴殺行為)と言っても過言ではありません。
見えない「汗」の恐怖
人間の足は、一日でコップ一杯分(約200ml)もの汗をかくと言われています。スニーカーの内部、特にインソールやライニング(内張り)は、この水分をたっぷりと吸い込んでいます。
この湿気を抜かずに密閉すると、雑菌が繁殖して強烈な臭いの原因になるだけでなく、加水分解を急速に早めることになります。まずは、風通しの良い日陰で最低でも数時間、できれば24時間はしっかりと陰干しをしましょう。
「ブラッシング」は毎日の洗顔と同じ
そして、収納する前に必ず行いたいのがブラッシングです。一見綺麗に見えても、路上のホコリ、チリ、排気ガスの粒子などが繊維の奥に入り込んでいます。
これらを放置すると、湿気と混ざって繊維に固着し、時間が経つと「何をやっても落ちない黒ずみ」に変化してしまいます。これを防ぐために、柔らかい馬毛ブラシなどでササッと全体を払うだけで構いません。
「帰ってきたらブラシで埃を落とし、陰干しをする」。このわずか数分の習慣が、3年後、5年後のスニーカーのコンディションに決定的な差を生みます。
詳しくは、当サイトの毎日のスニーカーメンテナンス手順についての記事でも解説していますので、併せてご覧ください。
アメトーク流のスニーカー汚れ防止と保存法
ここからは、履くときだけでなく「保管」にフォーカスしたディープな内容をお伝えします。スニーカーコレクターにとって、履いていない時間をどう過ごさせるかは死活問題です。特に日本の気候は、スニーカーにとっては「サウナ」のようなものであり、対策なしでは劣化を免れません。
スニーカーの天敵である加水分解の防止策

スニーカー好きが最も恐れ、夜もうなされる言葉。それが「加水分解」です。これは、スニーカーのミッドソールによく使われている「ポリウレタン」などの素材が、空気中の水分と化学反応を起こして分解されてしまう現象のことです。
久しぶりに履こうと思って箱から出したお気に入りのエアマックス。足を入れた瞬間、ソールがボロボロと崩れ落ち、粉々になってしまう…。これが加水分解の恐怖です。特に1990年代〜2000年代初頭のハイテクスニーカーでは避けられない宿命とも言えます。
劣化を「遅らせる」戦い
残酷な現実ですが、現在の科学では加水分解を「完全に止める」ことはできません。しかし、「進行を劇的に遅らせる」ことは可能です。
その唯一にして最大の鍵となるのが徹底的な湿度管理です。加水分解は水分によって促進されるため、保管時の湿度を極限までコントロールし、素材が水分と結びつくのを防ぐことが、寿命を延ばすための最重要ミッションとなります。
紙箱は捨ててスニーカーの黄ばみを防止

新品のスニーカーを買ったとき、ナイキのオレンジ色の箱やジョーダンの黒い箱を見て、テンションが上がらない人はいませんよね。部屋の壁一面にブランドの箱を積み上げ、自分だけの「スニーカーウォール」を作る。これは全スニーカーヘッズの夢であり、アメトークのひな壇背景のようなカッコよさに憧れる気持ち、私にも痛いほどよくわかります。
しかし、心を鬼にして真実をお伝えしなければなりません。もしあなたが、スニーカー本体のコンディションを最優先に考えるのであれば、「購入時の紙箱に入れて保管すること」は、自殺行為に近い危険な選択なのです。
紙箱は「湿気の貯蔵庫」であり「黄ばみ製造機」
なぜ、これほどまでに紙箱が敵視されるのか。それには科学的な根拠に基づく2つの致命的な理由があります。
まず1つ目は、「吸湿性」の問題です。 多くのシューズボックスには、再生紙や段ボール素材が使われています。これらは空気中の水分を吸い取るスポンジのような性質を持っています。日本の高温多湿な家屋において、湿気をたっぷりと吸い込んだ紙箱の中にスニーカーを入れるということは、言わば「高湿度のサウナ」の中に大切な靴を監禁しているのと同じ状態です。これが加水分解やカビの発生を加速させます。
そして2つ目、こちらの方がより深刻なのが「化学変化による黄ばみ」です。
黄ばみの正体は「酸化」と「紙の成分」
真っ白だったエアフォース1が、数年後に箱を開けたらクリーム色に変色していた経験はありませんか?これは単なる日焼けではありません。
- 酸性紙の影響: 安価な段ボールや再生紙には「リグニン」という成分が含まれており、これが経年劣化で酸性ガスを発生させます。このガスがスニーカーに移り、変色を引き起こします。
- 接着剤の気化: 箱の組み立てに使われている接着剤やインクも、時間の経過とともに揮発成分を出します。
- ライスペーパー(薄紙)の罠: 最初から靴を包んでいる薄い紙(ライスペーパー)も同様に酸性であることが多く、直接スニーカーに触れさせておくと、接触部分から黄ばみが移ります。
特に、クリアソール(透明なゴム底)や、パテントレザー(エナメル素材)、そして純白のアッパーを持つスニーカーは、この「紙からの攻撃」に対して非常に脆弱です。「箱に入れて暗所に保管していたのに黄ばんだ」というケースの犯人は、十中八九この紙箱と薄紙なのです。
それでも箱を捨てられない人への「折衷案」
「理屈はわかるけど、箱も商品の一部だから絶対に捨てたくない!」 そう思うコレクターの方も多いはずです(私も、限定モデルのスペシャルボックスなどは絶対に捨てられません)。
箱を愛する私たちが取るべき生存戦略は、「スニーカーと箱の分離」、あるいは「完全隔離」です。
箱派のための保管ルール
- レベル1(基本): 中の薄紙は即捨てる 箱を残すにしても、靴を包んでいる再生紙の薄紙(ライスペーパー)と、つま先に詰められている再生紙のクッション(アンコ)は、購入直後にすべて取り除いて捨ててください。これらが最もスニーカーに悪さをします。
- レベル2(推奨): 密閉袋で隔離してから箱に戻す どうしても箱に入れて積みたい場合は、前述した「ジップロック+乾燥剤+黄ばみ防止剤」でスニーカーを完全密閉し、外気や箱の成分と直接触れない状態にしてから、箱の中に戻しましょう。これなら箱の見た目を楽しみつつ、靴を守ることができます。
- レベル3(ガチ勢): 箱は畳んで保管、靴はタワーボックスへ 最も理想的なのは、紙箱は綺麗に折りたたんでクローゼットの奥(湿気の少ない場所)に保管し、スニーカー本体はUVカット機能のついたプラスチック製のスニーカーケース(TOWER BOXなど)に入れて飾ることです。これなら「見せる収納」と「保護」を両立できます。
「箱に入れて積んでおくのがカッコいい」という美学は理解できますが、数年後にボロボロになったスニーカーを見て泣かないために、紙素材との付き合い方は慎重になりすぎるくらいで丁度いいと私は考えています。
スニーカーのソールを守る削れ防止テク

「このスニーカー、めちゃくちゃカッコいいから履きたい。でも、履いて歩けばソールが減ってしまう…」
この永遠のジレンマを解決するために、多くのスニーカーヘッズが実践しているのが、物理的な防御策です。
「Shoe Goo(シューグー)」から「守る」時代へ
かつては、カカトの減りやすい部分に「Shoe Goo(シューグー)」という補修材をあらかじめ塗って、犠牲にする方法が主流でした。しかし、見た目があまり良くないという欠点がありました。
最近のトレンドは、ソール全体に透明な保護フィルムを貼り付ける方法です。「ソールプラス」や「Mamoru」といった製品が有名ですね。これらは、スニーカーのソールの形状に合わせてフィルムをカットし、ドライヤーやヒートガンの熱風を当てて圧着させます。
さらに、カカト部分に特化した「ヒールプロテクター」も人気です。強力な両面テープでカカトに貼り付けるゴム製のガードで、カラーバリエーションも豊富なので、スニーカーのデザインを損なわずに装着できます。
これらを装着することで、地面と直接触れて削れるのはフィルムやプロテクターだけになります。つまり、本体のソールは新品同様の溝(トレッド)を維持したまま、外で履くことができるのです。プロテクターが削れたら貼り替えればいいだけ。これは精神衛生上、非常に大きなメリットです。
乾燥剤とジップロックで湿気を完全遮断

アメトークの番組内で、芸人たちがスニーカーを巨大なビニール袋に入れてストローで空気を吸い出している映像を見て、衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。「そこまでするの?」と笑ってしまったかもしれませんが、実はこれ、世界中のスニーカーコレクターの間では「常識」であり、新品の状態を維持するための「通過儀礼」とも呼べる極めて合理的な保存方法です。
日本の高温多湿な気候は、スニーカー(特に加水分解を起こすウレタン素材)にとって過酷な環境です。湿気を遮断し、空気に触れさせないことで酸化を防ぐ。この「真空パック保存」こそが、現時点で最も安価かつ効果的にスニーカーの寿命を延ばす最適解と言えます。
ここでは、失敗しないための正しいアイテム選びと、具体的な手順を深掘りして解説します。
【保存の三種の神器】アイテム選びの正解
ただ袋に入れれば良いわけではありません。長期保存を目的とするなら、アイテム選びにこだわってください。
- 1. 密閉袋(ジップロック・Heftyなど) スニーカーが余裕を持って入るサイズが必要です。ハイカットのスニーカーや28cm以上のサイズの場合、スーパーで売っているLサイズのフリーザーバッグでは入らないことがあります。 おすすめは、番組でも紹介された米国製の「Hefty(ヘフティ) OneZip ジャンボサイズ(2.5ガロン)」です。非常に厚手で破れにくく、スライダー付きで開閉が楽なのが特徴です。手に入らない場合は、IKEAのプラスチック袋の一番大きいサイズや、スニーカー保存専用のパック(KicksWrapなど)を活用しましょう。
- 2. 乾燥剤(シリカゲル) 袋の中の水分を除去するために必須ですが、選び方にコツがあります。お菓子に入っているような「A型シリカゲル(強力に乾燥させるタイプ)」ではなく、「B型シリカゲル(調湿機能があるタイプ)」を選ぶのがベストです。 B型は湿気が多いときは吸湿し、乾燥しすぎると放湿してくれるため、スニーカーにとって理想的な湿度環境を保ちやすくなります。
- 3. 黄ばみ防止剤(ミセスロイド等) 「なぜ防虫剤?」と思われるかもしれませんが、これは虫除けではなく「黄ばみ防止」が目的です。 特に「ミセスロイド」や「ムシューダ」などのピレスロイド系の衣類用防虫剤には、黄ばみの原因となる酸化窒素ガスを抑制する効果があると言われています。白いフォース1や、クリアソール(透明なゴム底)の黄ばみを防ぐための隠し味として、必ず同梱しましょう。
実践!真空パックの儀式の全手順

アイテムが揃ったら、いよいよ封印の儀式です。ただ入れるだけでなく、空気をしっかり抜くことが酸化防止の鍵となります。
- セッティング: スニーカーを互い違い(つま先とかかとを逆にする)にして袋に入れます。この時、アッパー同士が擦れて色移りしないよう、間に薄紙(ライスペーパー)を挟むのがプロの技です。
- 薬剤の投入: 乾燥剤1〜2個と、黄ばみ防止剤(防虫剤)を1個、袋の中に放り込みます。直接スニーカーのレザー部分に触れると変色のリスクがあるため、ソールの裏側に配置するか、紙に包んで入れると安心です。
- 空気抜き(ストロー法): ジッパーを端から閉めていき、最後の1cmだけ開けておきます。そこにストローを差し込み、袋がスニーカーの形状にピタッと張り付くまで、自分の肺活量で中の空気を吸い出します。酸欠に注意してください。
- 完全密閉: 空気が抜けたら、素早くストローを引き抜き、瞬時にジッパーを閉めます。これで簡易的な真空パックの完成です。 ※より完璧を目指す方は、掃除機のノズルを使って吸引する方法もありますが、吸引力が強すぎるとスニーカーが変形する場合があるので、「弱」モードで様子を見ながら行ってください。
【警告】やりすぎは禁物!過乾燥のリスク
「湿気は敵」と言い続けてきましたが、実は「乾燥させすぎ」もまた、スニーカーを殺す原因になります。
天然皮革や合成皮革には適度な水分と油分が必要です。乾燥剤を過剰に入れすぎると、革に必要な水分まで奪ってしまい、「クラック(ひび割れ)」を引き起こす可能性があります。
「封印したら数年は放置」ではなく、季節の変わり目(半年に1回程度)には袋を開けて空気を入れ替え、スニーカーの状態をチェックし、乾燥剤を新しいものに交換するメンテナンスを行うことを強くお勧めします。
シューキーパーで型崩れを防ぐ保管術

長期保管する際は、シューキーパー(シューツリー)を入れて形を整えておくことも忘れてはいけません。スニーカーはアッパー(甲の部分)が柔らかい素材でできていることが多く、何も入れずに長期間置いておくと、重力でつま先が凹んだり、ソールが反り返ったりしてしまいます。
密閉保存なら「プラスチック製」一択
一般的に革靴の世界では、調湿効果や消臭効果のある木製(シダーウッドなど)のシューキーパーが良いとされています。しかし、スニーカーを密閉袋で長期保管する場合は、話が別です。
木製のシューキーパーは天然素材であるため、油分を含んでいます。これが長期間の密着によってスニーカーの内側(ライニング)に移り、シミを作ってしまうリスクがあります。また、木自体が湿気を吸いすぎてカビの温床になる可能性もゼロではありません。
そのため、スニーカーの密閉保存には、IKEAなどで売られているプラスチック製のシューキーパーを選ぶのが無難で正解です。プラスチック製は軽量で、バネ式でサイズの調整もしやすく、何より安価です。スニーカーの美しいシルエット(特にアッパーの立ち上がり)を維持するために、必ずセットしておきましょう。
より詳しい保管グッズの選び方については、スニーカー保管におすすめのアイテム5選の記事でも紹介しています。
スニーカーの汚れ防止とアメトークのまとめ
今回は、「スニーカー 汚れ 防止 アメトーク」というテーマで、番組で紹介された伝説的なテクニックや、私なりのこだわりのケア方法を徹底解説しました。

| 悩み・目的 | 解決策・アイテム | ポイント |
|---|---|---|
| 水汚れ・油汚れを防ぎたい | Crep Protect | 2回塗りで最強の被膜を作る |
| 下地作り・洗浄 | Jason Markk | 新品でもまず洗って油分オフ |
| 加水分解・黄ばみ防止 | 密閉袋+乾燥剤+防虫剤 | 空気を抜いて酸化と湿気を遮断 |
| ソールの摩耗防止 | ソール保護フィルム | 削れるのはフィルムだけにする |
| 型崩れ防止 | プラスチック製シューキーパー | 木製はシミのリスクがあるため避ける |
こうして見ると、スニーカーケアの世界は奥が深く、正直「面倒くさい」と感じることもあるかもしれません。しかし、アメトークの芸人さんたちが熱っぽく語っていたように、その「手間をかける時間」こそが、スニーカーへの最高の愛情表現なのです。
プレ値がついた高価なスニーカーを「汚れるのが怖い」といって一度も履かずに劣化させてしまうのは、あまりにも悲しいことです。しっかりとした「防御力」を身につければ、安心して街へ繰り出すことができます。
履いても綺麗、飾っても美しい。そんな理想のスニーカーライフを、ぜひこれらのテクニックを取り入れて実現してください。あなたのスニーカーが、10年後も輝き続けていることを願っています。
※本記事で紹介した方法は、素材や環境によって効果が異なる場合があります。スプレーや薬剤を使用する際は、必ず製品の注意書きをよく読み、目立たない場所でテストを行ってから自己責任で実施してください。

